タカアシガニの味 /料理は美味しい?大味でまずい?身と味噌を食べる!戸田の旬は?

タカアシガニ 味 /特徴

タカアシガニの最大の特徴はその見た目と大きさです。

クモガニの仲間である彼らは非常に細長い足を持っており、実際にカニよりも蜘蛛を連想させるような姿をしています。

甲羅も大きくてトゲトゲが厳つく、存在感の塊のようなカニです。

両方のハサミ脚を広げた大きさは最大で4m、大きなオスにもなると甲羅は40cmにもなり、体重も19kg程になりますが、これはカニとしてのみならず、節足動物として世界最大と言われています。

タカアシガニが棲息するのは水深200~500mの海底で、いわゆる深海生物であり、生きた化石とも言われています。

甲殻類である彼らは水圧の変化に強く、おとなしい性格で水槽やいけすで容易に飼育することができるため、多くの水族館で飼育されており人気を博しています。

しかし、タカアシガニは味についてはあまり知られておりません。

そもそも毛ガニやズワイガニといったメジャーな蟹と比べると流通量も少ないので、食べる機会もそう多くは無いでしょう。

それ故にタカアシガニの味は美味いのか?それともまずいのか?と、話題に上ることも珍しくはありません。

タカアシガニが一般に出回り辛い理由

  • 鮮度が落ちるのが早い
  • 大味でまずいイメージがある

タカアシガニがほかの蟹と比べてあまり多く出回っていない理由は主に2つ。

まず、タカアシガニは鮮度が落ちるのが非常に早い上に、時間が経つと独特の苦味が出てきてしまうので、取り置きが難しいのです。

このため他の蟹のように市場に出したり通販で販売する事が難しく、限られたところでしか食せないと言います。

タカアシガニ専門店に行けば、生簀のタカアシガニをその場で調理してもらえますが、こちらから出向いていかないとなかなかお目にかかれません。

また、水っぽく大味のカニということでかつては見向きもされず、漁獲されても捨てられていたそうです。

しかし、東北から九州まで太平洋側の深海に生息しているため、静岡県を始め、千葉県や和歌山県など深海漁が盛んな地域ではしばしば漁獲または混獲され、水揚げがあります。

現在では静岡県戸田などのように、タカアシガニが食材として観光資材になっている場所もあります。

ただし、その大きさゆえに成長が遅く、主産地である駿河湾では乱獲が懸念されています。

そのため今後は漁獲と同時に資源保護を行うことも必要だと考えられており、種苗育成・放流も行われています。

タカアシガニの値段

タカアシガニの値段相場は、時期や状態などに左右されるものの1kg当たり約7000円前後です。

食用のタカアシガニの値段は1杯で20,000円程度で、脚だけで構わないのであれば、何と5,000円位でも手に入れることができます。

激安とまでは言えませんが、超が付くほどの高級ブランド蟹と比べると充分割安です。

また、タカアシガニは鮮度を保つのが難しく輸送するのが大変なため、輸送が必要ない特産地まで行って食べれば比較的安く食べる事ができます。

タカアシガニ 味 /気になる味は?

鮮度の良いタカアシガニは、さっぱりとしていてほんのり甘みのある味わいが特徴です。

味噌も臭みが少なく、クリーミーな食感を楽しむことができます。

脚と肩肉の味は伊勢海老に近い

大きな体から大味なのでまずそう思われがちですが、以外にも味は濃厚ながらあっさりとしています。

どちらかと言うとカニというよりは伊勢海老などに近い味わいを持っており、一般的なカニの味とは違った味わいが口の中に広がりますが、その味がこれまた上々です。

長い脚も太さ的には細い方ですが、サイズが大きいので脚1本でもかなり食べ応えがあります。

ボディー内部は足1本1本の付け根全てが特大ワタリガニの泳脚付け根くらいあるので、こちらも食べ応えは十分です。

かにみそはクリーミーで濃厚な味わい

甲羅が大きいためにミソ(中腸線)がたくさん詰まっているのですが、やや生臭みがあり、加熱しても固まらないため、そのまま食べるのには向きません。

戸田のタカアシガニ専門店ではミソをつけダレのようにして食べる方法を勧めています。

加熱したかにみそはカニ酢を使わなくて良いほど生臭くなく、非常に美味しかったので「かにみその生臭さが苦手」と言う人でも、タカアシガニのかにみそなら食べれるかもしれません。

さらに、クリーミーで濃厚な味わいのタカアシガニのかにみそは、そのまま食べるだけでなく、雑炊に入れるとこれがまた絶品です。

自分が今まで食べてきた中で一番美味しいカニのおじやだったと思います。

水気が多くニュルっとした食感

タカアシガニの食感は普通の蟹と全く違います。

普通の蟹って身がふわふわしてますが、タカアシガニの身は柔らかくてニュルっとしていて弾力性はなく、塩気が強い感じがします。

実際のところ、タカアシガニは水揚げするとどんどん身が溶けてしまうそうです。

食べる時も、ちょっとタカアシガニを動かすと、空になったはずの脚の殻から液体がドバっと出てきます。

一方で、やや水っぽく味が薄いので、茹でるより蒸したほうが美味しいです。

蒸した身を焼く・揚げるなどして、水分を抜くような調理を行うとさらに美味になります。

タカアシガニの味わいは大味でまずい?

タカアシガニは、大きい身体を持つため大味であるとよく言われます。

また、ズワイやタラバほどの味の濃さがなく、カニ特有の甘味もないので、「味がうすい」「水っぽい」など、まずいと感じる人もいるようです。

実際食べてみると、まずいというよりも、深海生物独特のクセがあります。

なんでも、身に深海のミネラルをたっぷり蓄えているそうで、蟹と思って食べると違和感を感じる人もいるかもしれません。

また、身はクセが強いのに、蟹味噌はそんなにクセがなくて、つけて食べると絶妙なバランスになるのもタカアシガニの味の特徴です。

活きていないと美味しくない

タカアシガニは鮮度が落ちるのがとても速く、すぐに食感や風味が損なわれてしまい、苦味も出てきます。

そのため、特産地や生け簀などで鮮度を保っているお店以外で食べると、極端にまずくなります。

徳島県のお寿司屋さんでタカアシガニを出してくれるお店があるのですが、食べる直前まで生きたままで、茹でると旨みが逃げるため蒸して出してくれた握りは絶品でした。

タカアシガニを美味しく食べるには、鮮度が一番重要なのは間違いありません。

タカアシガニ 味 /旬

漁期が始まる冬が食べごろ

タカアシガニの旬は、冬です。

12月から2月にかけて水揚げされるタカアシガニは特に美味しいと評判です。

9月頃から4月頃まで漁が行われますが(駿河湾の場合)、旬の時期以外でも食べることは可能ですが、4月になるとタカアシガニは産卵期を迎えるので、その間は漁も禁止となります。

なので、禁漁直前の初春頃に食べるのがベストです。

タカアシガニ 味 /西伊豆戸田でタカアシガニが食べられるお店

タカアシガニをお店で食べたいなら、西伊豆の沼津市戸田まで出向くのが一番です。

町興しにタカアシガニを使っていたこともあり、静岡県の沼津にはタカアシガニを食べられるお店がいくつもあります。

伊豆や静岡には温泉街も多いので、タカアシガニを食べに行くついでに温泉でくつろぐのも良いかもしれません。

遠方の人は新幹線で三島駅まで行き、車で戸田まで行く方法が一般的です。

JRの特急踊り子号やあさぎり号で修善寺駅まで行き東海バスを使ったり、沼津港から高速船を利用したりする方法もあります。

お食事処 かにや へだ本店

店名 株式会社光徳 お食事処かにや へだ本店
住所 〒410-3402 静岡県沼津市戸田354-4
TEL 0558-94-2235
営業時間 10:30~16:00(平日)
10:30~17:00(土日)
定休日 月・火曜日

網元高徳丸直営店のタカアシガニ職人の店「お食事処かにや」へだ本店では、戸田名物タカアシガニを1匹12,600円~26,250円(身の質によって値段が変動)で食べられます。

大きな生け簀が用意されており、たくさんの活きたタカアシガニも見られます。

1階は水産物流センターになっており、加工品としては、タカアシガニのエキスが入った味噌汁やおせんべい、炊き込みご飯、お茶漬けの元などが売られています。

ただ、冷凍品についてはズワイガニやタラバガニはありますが、タカアシガニに関しては冷凍で購入できません。

いけすのタカアシガニはあくまでも料理に使われるもので、特製ボイルの他に、かに鍋やカニしゃぶ、天ぷら、グラタン、釜飯、シュウマイなど様々なタカアシガニ料理が用意されています。

食事処 丸吉

店名 丸吉食堂
住所 静岡県沼津市戸田566-2
TEL 0558-94-2355
営業時間 午前10時~午後5時(金曜日以外の平日)
午前9時~午後7時(土日祝)
定休日 金曜日

2階にある食事処からは、戸田の海を一望できながら、豪華なタカアシガニ料理を食べれるお店。

11,000円からタカアシガニを丸ごと一匹食べる事ができます。

丸ごと蒸し上げられているので、よりカニミソが溶け出さず、本来の旨みが保たれます。

タカアシガニを堪能したい方は、この店のまるごと一匹をおすすめします。

タカアシガニ 味 /美味しい料理

蒸しガニ

タカアシガニの食べ方として一番おすすめなのが蒸しガニです。

タカアシガニは水分が非常に多いので、茹でて食べるよりも蒸して食べるほうが旨味が凝縮し、味が薄くなりにくいため、手軽に美味しく食べられます。

また、タウリンやアスタキサンチンなどの栄養が含まれており、それらの栄養を逃がさないためにも蒸すのがおすすめです。

タラバやズワイと違い、タカアシガニはカニミソの量が多く、かにみその量と質を守るため、時間をかけて調理する必要がありますが、よりカニミソが溶け出さず味わうには一匹まるごと蒸し上げるのが理想です。

ただ、タカアシガニはサイズがサイズだけに、通常の家庭ではそのまま丸ごと一杯を蒸し上げることは厳しいです。

脚と身体を別々に蒸し上げても相当大きな鍋が必要になるので、蒸しガニをするならその辺りの道具も忘れずに用意しておきましょう。

焼きガニ

カニ本来の旨味を最も堪能できる料理法と言えば、やはり焼きガニです。

タカアシガニは、焼くことで香ばしくなり、水分が飛びカニ味噌も濃厚になります。

香ばしいカニの香りは実に食欲を唆ります。

サイズが大きいので海鮮BBQなどにタカアシガニを用意すれば、参加者も盛り上がること間違いなしです。

水分が多いため、焼きすぎると身が縮んでしまうのでコツが必要で、焼き上げの際は半解凍の殻付きのまま焼くと、旨味が逃げずにしっとりとジューシーな焼き上がりになります。

ただ、焼きガニは調理すること自体は容易でも、食べるのが割と面倒な調理法です。

いわゆる「カニを食べると無口になる」的な話なので、これはこれで致し方ないとも言えます。

食べることに真剣になっても構わないメンツであれば、この焼きガニがおすすめです。

カニしゃぶ

出汁を張った鍋にカニ身を浸し、しゃぶしゃぶと湯掻いて頂くカニしゃぶも、タカアシガニの旨味をじっくりと堪能することができるおすすめの調理方法です。

元々タカアシガニ自体に塩気があるので、ポン酢をつけずそのまま食べても美味しく頂けます。

昆布が無い場合は白だしを薄めて代用してもOKです。

柚子が無い場合には市販の柚子ポンやかぼすポン酢を付けても問題ありません。

最後は残ったカニ身を入れて、カニ雑炊にして食べると絶品です。

刺身

「刺身」は、さっぱりとして、クセのない味わいです。

タカアシガニは、刺身で食べるとエビのような甘みとぷりぷりとした食感が特徴です。

また、タカアシガニを生で食べれる期間は短く、刺身で食べる機会は貴重であるといえます。

天ぷら

タカアシガニは、食感がエビに似ているため、油で揚げても美味しく食べられます。

旨味を逃がさないためにも、素揚げにはせず衣をつけて揚げるようにしましょう。

タカアシガニ 味 /お取り寄せ

タカアシガニの流通量は極端に少ないですが、タイミングが良ければ楽天やYahoo!ショッピングでお取り寄せもできます。

冬に出回るので夏は売り切れる可能性もあるので、見つけたら早めに注文する事をおすすめします。


タカアシガニ 味 /まとめ

タカアシガニは、その大きいサイズの見た目から大味と言われていますが、決してまずいカニではありません。

特にかにみそはクリーミーで、他のカニでは味わえない濃厚さを楽しめます。

一方で、水っぽい食感であるのも事実であり、しっかりと火を通して旨味を凝縮した方が美味しいです。

また、鮮度が非常に落ちやすく、時間がたつと苦味も出てくるため、産地まで出向いて食べた方が無難なカニでもあります。

沼津市の戸田では、美味しいタカアシガニ料理の店がいくつもあるので、余裕があれば直接食べにいくのをおすすめします。

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