花咲ガニの旬 /根室の幻のカニ!漁解禁、特徴、産地について

花咲ガニ 旬 /特徴

和名 はなさきがに/花咲蟹
別名 コンブガニ
英名 brown king crab、Hanasaki crab
学名 Paralithodes brevipes (H. Milne-Edwards & Lucas, 1841)
分類 タラバガニ科タラバガニ属

北海道の主に根室半島付近で獲れる花咲ガニは、カニには珍しく夏から秋にかけてが旬の美味しいカニです。

海老のようなプリプリした食感と、三大ガニ(タラバガニ・毛がに・ズワイガニ)に比べてはるかに濃厚な味わいが特徴で、北海道民が1番大好きな蟹はこの花咲ガニだと言われています。

花咲ガニはタラバガニ科に属していますが、タラバガニほど大きくはならず、甲幅・甲長とも15cm程度、脚はタラバガニと比べ甲羅の大きさに対して太く短いです。

甲羅はハートを逆さまにした形をしており、脚が太めで肉厚、体全体がトゲトゲで覆われているのが特徴です。

また、名前に「カニ」とついていますが、タラバガニと同様、ハサミを除くと脚が3対しかないので、カニではなくヤドカリの仲間です。

タラバガニよりもやや浅い20~190mの深さに生息し、メスは6~7月にかけて産卵、その翌年の4月頃まで抱卵して放出します。

成長は遅く、メスが成熟するのには6年かかるとされ、漁獲サイズとなる甲長9㎝にまで8年かかるとも言われています。

水揚げ直後は茶色い体をしており、お腹の色は白く、小さな突起は褐色から赤色をしていますが、茹でると全体が赤くなり花が咲いたようになることから花咲ガニと呼ばれるようになったと言われています。

また、花咲ガニは、1970年代は年間100トン以上の漁獲がされていましたが、釧路や根室で多く漁獲された事もあり個体数が減ってしまったため、今は漁獲量が制限されています。

現在はとても水揚が少なく、10年前の約10分の1も水揚にならない非常に貴重な蟹となっており、「幻のカニ」とも呼ばれていますが、花咲ガニの相場は、その年の水揚げ量によって変動しますが、だいたい1kgあたり6,000円~8,000円あたりで推移しています。

ただし、個体数の減少により漁獲期間などが制限されているといっても、漁獲量の大半を誇る根室市では毎年、7月~9月ごろに漁が解禁され、8月末には「かに祭り」が行われており、美味しい旬の花咲ガニを味わうことができます。

花咲ガニ 旬 /夏が旬

花咲ガニが一番美味しいと言われる旬は、8月から9月までですが、12月位までは美味しく食べることができます。

ただし、花咲ガニの漁期は4月~9月のみと制限があります。

市場に出回るのもその時期に限られるため、活け物及び生鮮品として出回る旬は初夏から秋口となります。

漁の解禁は根室より釧路の方が早い

花咲ガニの漁の解禁は根室が7月から9月、釧路が3月中旬から7月末までとなっており、仕入れられる数やサイズは漁次第で変ります。

7月末から仕入れる年もあれば、早いときは6月中旬頃から仕入れている事もあるので、少し早めから問い合わせるといいでしょう。

また、ロシア近海で獲れるものは秋ごろが漁の解禁日になりますので、夏の旬に北海道産の花咲ガニを購入できなかった人でも、ロシア産であれば手に入れるチャンスがあります。

いずれにしても、漁の解禁日に慌てて旬の花咲ガニを探しても手遅れになることも多いので、なるべく早く情報収集し新鮮な花咲ガニを扱っているショップを見つけて早めに予約した方が確実に手に入れる事ができます。

安い冷凍花咲ガニは旬をはずれたカニの可能性も

旬の花咲ガニを探そうと必死になる人もいますが、売られている花咲ガニがいつ水揚げされたのかよく確認する必要があります。

夏に旬だからと思って買ったのに、実は水揚げされたのが数年前だったなんてこともあるからです。

もちろん獲れたカニは急速冷凍されるので、3年程経っていても食べられないことはありません。

でもやはり味は落ちていますし、これでは花咲ガニの本当の良さは味わえませんので、旬の時期に取れた花咲ガニをなるべく早く味わう事をおすすめします。

花咲ガニ 旬 /産地

花咲ガニの分布はタラバガニよりも狭く、北海道の道東沖えりも岬から根室迄の太平洋沿岸で北海道の中でも、道東の端のほうでしか獲れません。

おいしい昆布が獲れる道東では、昆布をエサとする花咲ガニも当然おいしくなります。

主な産地は根室半島付近

北海道沿岸からオホーツク海、ベーリング海に分布し、近海では釧路から襟裳半島から根室半島にかけての太平洋側、及び根室半島のオホーツク海側で多く取れます。
 
水揚げ地の1つである根室市の「花咲港」では、毎年夏の時期花咲ガニの主な漁場は襟裳から根室にかけての太平洋沿岸と根室半島のオホーツク海で、それぞれ釧路港、花咲港が主な水揚げ港となっています。

かつては見境なく漁獲されていましたが、近年は資源保護対策が講じられ、漁獲対象を甲長8または9cm以上のオスに限るとされているため、漁獲された花咲ガニほとんどが地元及び札幌や函館など北海道名の都市で消費されていますが、近年では物流が発達した事により、旬の花咲ガニを全国で味わえるようになりつつあります。

根室では毎年恒例の「かに祭り」開催

イベント名 根室かに祭り
日時 8月31日(土) 10:00~17:00 (カニの販売は8時~)
9月1日(日) 9:00~15:00 (カニの販売は7時~)
会場 根室港特設会場(根室市海岸町1丁目)

花咲ガニの最大漁獲量を誇る根室市では8月31日から、毎年恒例の「根室かに祭り」が実施されています。

花咲ガニの茹であげ実演・販売をはじめ、カニの早食い競争、ステージショーなど、たくさんのイベントを楽しめます。

花咲ガニの旬の時期、茹でたてを食べることができる絶好のチャンスなので、時間に余裕がある人は是非現地で旬の花咲ガニを味わってみてください。

花咲ガニ 旬 /食べ方

なんと言っても花咲ガニ料理の定番は、みそ味の鉄砲汁ですが、花咲ガニは茹でて食べるのはもちろん、肉厚なので焼きガニや鍋でもおいしくいただけます。

小ぶりなカニですが、旬の花咲ガニの身はぎっしりと詰まっており食べた時に口いっぱいにカニの甘みと旨味が広がり十分な食べ応えが感じられるので、どんな食べ方でも美味しく食べられます。

ただし、トゲが大きくて硬いので、食べ方に関わらずキッチンバサミは必ず用意しましょう。

みそ味の鉄砲汁

花咲ガニの漁獲数が多い根室市での定番となっている料理は花咲ガニの鉄砲汁です。

鉄砲汁とはぶつ切りにした身を入れた味噌汁のことですが、味噌汁と同じ要領で調理すれば簡単に出来上がります。

最初に花咲ガニの殻を入れて水で煮るといいダシが出てきますので、ダシが出たら殻を取り除いて、あとはお好みの具を入れて完成です。

花咲ガニから出る出汁と共に味噌で味付けされた鉄砲汁は簡単に作れる上に、大変美味なので是非試していただきたいレシピです。

なお、根室のお土産の定番に、花咲ガニの鉄砲汁の缶詰があります。

花咲ガニの出汁とともにカニの身と真っ赤な殻がゴロゴロと入っていて、ほんのり塩味がついています。

鍋に缶詰の中身を入れ、空いた缶で水を2~3杯注ぎ、味噌で味つけした後に豆腐とネギを入れて、4人分ほどの鉄砲汁があっという間に完成します。

1缶700円ほどでお手頃価格なので、お土産に大人気です。

花咲ガニの旬の時期でなくても、楽天等でも取り寄せる事ができます。

茹でガニ

ボイルではなく生の花咲ガニを買ってきたら、塩を効かせた鍋の水に甲羅を下にして入れます。

あとは15分~20分茹でて、仕上げに氷水でしめたら出来上がりです。

茹で上がりに氷水で締めるとカニの身が引き締まって身離れがよくなり食べやすいのですが、好みに応じて熱いままでもOKです。

焼きガニ

花咲ガニは焼いても美味しく味わえます。

焼き方もいろいろあって、ホットプレートやオーブンはもちろんのこと、七輪で炭でじっくり焼くと風味が増します。

焼きすぎてしまうと身がかたくなってしまい、せっかくのジューシーさが失われてしまうので注意しましょう。

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