タラバガニを解凍 /冷凍ボイルタラバガニを美味しく食べるための解凍方法

タラバガニ 解凍 /冷凍タラバガニをおいしく食べるには

冷凍タラバガニは、適切に解凍しないと味が大きく変わります。

タラバガニの水分含有率は約80%もあるので、解凍の仕方によってはせっかくのタラバガニの風味を損ねてしまう可能性があります。

逆に、解凍方法のポイントに気を配るだけで、旨みを保つことができ、タラバガニ本来のおいしさをぐっと味わいやすくなります。

まず、タラバガニの解凍方法は、生とボイルで大きく違います。

生の冷凍タラバガニ ボイル冷凍タラバガニ
解凍方法 「氷水」で流水解凍 「冷蔵庫」で自然解凍
ベストな解凍状態 「5分目程度」の半解凍 「8分目程度」の半解凍

生の冷凍タラバは、室内の「涼しい場所」で自然解凍が基本ですが、ボイル冷凍タラバは「氷水」で流水解凍する方が美味しくなります。

また、完全に解凍すると、溶けた水分とともにタラバガニの旨味も抜けてしまいますので8分目の解凍が基本です。

表面の氷が手でポロポロと落とせるようになれば食べ頃です。

そして、どちらの状態の冷凍タラバガニも、解凍したらすぐ食べるのも重要です。

冷蔵庫に入れて日が経ってしまうと、タラバガニの旨味と水分が抜けて、パサパサとした食感になってしまいますので「当日食べる分だけ」解凍するようにしましょう。

タラバガニ 解凍 /生冷凍タラバガニは氷水で流水解凍

水揚げしてからすぐに生のまま殻を剥いだ身が、むき身として販売されている生の冷凍タラバガニは、短時間で解凍したほうがよいので、氷水で流水で解凍しましょう。

流水解凍する際に「氷水」を使うのにはちゃんとした理由があります。

生冷凍タラバガニを氷水で流水解凍すると美味しい理由

  • 氷水解凍は「旨み」が流れ出にくい
  • 冷蔵庫や常温解凍より「早い」

タラバガニを解凍するとき、タラバガニの温度と周りの温度に差があると、ドリップと呼ばれる旨みの含まれた水分が外に出やすくなりますし、急激な温度変化は細胞の破壊され、食感や味が落ちる原因になります。

その点、氷水は冷凍ガニとの温度差が少ないので美味しく解凍できます。

また、「氷水だと時間がかかるのでは?」と思う人もいるかと思いますが、水は空気より熱伝導率が高いため、冷蔵庫や常温で解凍するよりも短時間で解凍できるので時間短縮にも繋がります。

生冷凍タラバを氷水で流水解凍する方法

①冷凍タラバガニより大きめの容器に、氷水を用意する

冷凍ガニを購入したときの発泡スチロール製の箱、またはボウルや鍋など、タラバガニが入る大きさの容れ物に氷を入れて氷水を作ります。

水10に対して氷が3になるくらいの量の氷を入れましょう。

②冷凍ガニを袋に入れて沈める

直接水に触れると旨味が流出してしまうので、食べる分を密封出来るビニール袋に入れて、流水にさらします。

水が入らないよう、袋の口は箱の外へ出しておきます。

③タラバガニが浮かないように重石をする

皿やまな板などで重石をし、タラバガニ全体が氷水に浸っているようにします。

室温が高くて氷がすぐ溶けてしまう場合は、都度氷を追加しましょう。

④少量の氷水につける

水を勢いよく流す必要は無く、少量で問題ありません。

⑤ときどきチェックして、氷の膜を落とす

解凍中、袋に氷の膜が付くことがあります。

身と殻では溶ける時間が違うので、殻についた氷を途中で取り除くと、溶け具合が均一になります。

そのままにしておくと温度が低くなりすぎて解凍が進まないので、見つけたら剥がして水に戻しましょう。

⑥甲羅や殻を指で押し、弾力を感じたら解凍完了

完全に解凍せず、半分くらい溶けた状態がタラバガニの風味を最もおいしく味わえます。

身が溶け始め、中心だけが硬い状態になったら、水を切ってすぐに調理を始めましょう。

生のタラバガニは劣化しやすく、時間が経つと黒く変色してきます。

原因はタンパク質が酸化して出来るメラニン色素で、食べても問題はありませんが、見た目が悪くなるだけでなく、味も落ちてくるので、食べる直前に適量を見極めて解凍するようにしましょう。

また、生と言っても、刺身用や、生で食べられるといった表示が無い限り、生食には適しません。

解凍後にしっかりと加熱調理を行いましょう。

生冷凍タラバの解凍時間の目安

調理する事を前提に半解凍まで氷水で解凍するのは10~15分で終わるので、食べる直前でも大丈夫です。

なお、たまにしょっぱい生の冷凍タラバガニもありますが、これはブライン冷凍という濃い塩水に漬け込み急速冷凍するという技術で冷凍しているためであり、このときに塩味が残ってしまっているからです。

味見をしてしょっぱいようであれば、薄い塩水で塩抜きをしましょう。

このやり方であれば浸透圧の影響で、旨味を逃さず、しょっぱさだけを除くことが出来ます。

タラバガニ 解凍 /ボイル冷凍タラバガニは冷蔵庫で自然解凍

ボイルした冷凍タラバガニは、冷蔵庫で時間をかけて解凍しましょう。

流水解凍はタラバガニの旨味が逃げてしまうので基本的にはNGです。

冷蔵庫で解凍するとゆっくりと解凍できるので、1番タラバガニの美味しさを保ったまま解凍することができます。

室温など急速に解凍してしまうと、タラバガニの旨味であるエキスが流れ出てしまい、パサパサしていたり味が変といった状態になってしまいます。

厳密には、タラバガニの凍結方法などにもよって解凍方法が変わってきますが、一般的なシュリンク包装(タラバガニをピッチリと覆う様に、フィルムがかかっているもの)には特に解凍方法になります。

ボイル冷凍タラバガニを冷蔵庫で自然解凍すると美味しい理由

  • 解凍中の-1℃~-5℃の時間をできるだけ短くすると美味しい

冷蔵庫で自然解凍するとなぜ美味しくなるのか、それには科学的な根拠があります。

図の通り、冷凍や解凍を行う時、紫色のゾーンの【-1℃~-5℃】の温度帯で素材の細胞の破壊が起き、美味しくなくなります。

つまり、細胞の破壊が起きてしまう【-1℃~-5℃】のゾーンをいかに素早く抜けられるかが重要になってきますので、冷蔵庫内での解凍が一番適した方法と言えるわけです。

タラバ蟹は大きいので、冷蔵庫に入れる事が難しい場合もあると思うので、そういった場合は冬場は玄関先などで解凍するのもアリです。

しかし、温度はご家庭によって温度帯が変わってきてしまい、結果が変わってくるので、安定した解凍方法を追及するのであれば、冷蔵庫がベストです。

ボイル冷凍タラバを自然解凍する方法

①発泡スチロールから出してキッチンペーパーで包む

通販で頼んだ場合、発泡スチロールに入った状態でご自宅に届くことが多いですが、タラバガニに臭いが移ってしまうことがあるため、入れっぱなしにして解凍するのはNGです。

必ず発砲スチロールから出して、新聞紙やキッチンペーパーで包みましょう。

乾燥を防ぐと同時に、水がタラバガニに触れないように気を付けましょう。

流れ出た水にタラバガニが浸かってしまうと、浸透圧の影響で味が落ちてしまいかねません。

足を傾けると水に浸りにくくなりますが、水はけが悪い場合はこまめに水を捨ててください。ちょっと面倒ですが、細かなケアが味を左右します。

②ビニール袋に入れる

タラバガニを冷凍する際に乾燥を防ぐため、グレース処理と呼ばれる表面を氷の膜で覆う技術が用いられています。

この膜が、解凍の際に大量の水分となって出てくるので、キッチンペーパーに包んだタラバガニをビニール袋に入れるなどの対策が必要です。

冷蔵庫の中はかなり乾燥していますし、シュリンク包装がされているとは言え結構な確率で穴が開いていますので、面倒ですが、このくらい徹底しないと殻があるタラバガニでも抜きたくない水分が抜けていってしまいます。

しっかりとキッチンペーパーで包み、ビニール袋に入れてから解凍を行うようにしましょう。

③甲羅を下にして冷蔵庫で解凍

甲羅つきの場合はタラバガニみそが流れてしまうのを防ぐため、必ず甲羅を下に向けて解凍しましょう。

茹でるときなども、甲羅付きのタラバガニであれば甲羅を下に向けるべきです。

③殻に付いた氷を手で剥がせるようになれば食べ頃

ボイルの冷凍タラバガニは8割程度の解凍が目安です。

完全に解凍すると、水分と共に旨味まで流出して風味を損なってしまいます。

殻に付いた氷を手で剥がせるようになった頃がおいしいタイミングです。

ボイルのものは解凍後そのまま加熱せずにいただくのがおすすめ。

溶けるのが早い足から食べ始めると、すべての部位を美味しく食べる事ができます。

解凍時間の目安

500gくらいのボイルタラバガニで4~5時間が目安ですが、姿ごと解凍する場合は、冷蔵庫でおよそ1日~1日半が目安です。

足だけでも、カットしていない状態のものは1日ほどかかります。

カットされた状態のものであればやや短くなり、18時間程度で食べごろになります。

また、メスはオスと比べると細身ですが、卵を抱いていることがあるので、こちらも1日前後かけてしっかりと解凍しましょう。

ボイルされたタラバガニは特に記載のない限り内臓を除いてあり、みそは入っていないので、向きを気にする必要はありません。

タラバガニ 解凍 /ボイル冷凍タラバガニを急速解凍する方法

どうしても夕食の時間に間に合わないという時は、ボイル冷凍タラバガニでもビニール袋に入れて流水で解凍する事もできます。

また、あまりおすすめできませんが電子レンジを使って時間短縮して解凍する方法もあります。

流水を使った解凍方法

冷蔵庫で自然解凍するとなるとかなりの時間がかかりますので調理するのが面倒です。

そんな急ぎの時でも美味しく解凍できる方法が流水解凍です。

流水と言っても直接流水にタラバガニを浸けるのではなく、ビニール袋に入れて直接水がかからないようにしてボウルに入れて流水で解凍します。

ビニール袋にタラバガニを入れ、水を張ったボウルの中で流水解凍します。

袋のままの状態で約1時間程度、20~30分程で解凍が半分ほど進むので、残りは食卓に並べているうちに自然に身がほぐれるのを待ちましょう。

急速解凍の場合も、半解凍の状態で調理するのがベストです。

解凍された状態で袋の中に置いていますと、グレーズと一緒に旨味成分が解けて味を損ないますので、身が水につかった状態は避けてください。

ただし、ボイル冷凍タラバガニを流水解凍するのはデメリットがあります。

まず、身の旨味成分と水道水の成分が入れ代わり、ただの旨味が抜け落ちたタラバガニになってしまうことです。

さらに、流水解凍は解凍している間キッチンの水場が全く使えなくなりますし、巨大なタラバガニともなれば、占拠率は絶大です。

とはいっても、もともと殻から外してあるものやカットされたボイルタラバガニの解凍は、流水解凍するメリットもあります。

むき身などは、時間を掛けて解凍していくと、身が酸化しやすくなりますので、早く解凍するこの方法は多少旨味が抜けると言っても、黒変を防ぐには向いていると言えるでしょう。

電子レンジを使った解凍方法

電子レンジを使って解凍する方法は、自然解凍よりは早いのですが、旨味を逃がさないように解凍する場合は、流水解凍とあまり時間はかかりません。

まず、凍った状態のタラバガニから脚をもぎ取り、電子レンジで20秒ほど加熱します。

あとはタラバガニの殻を剥き、身を冷蔵庫で寝かせれば1時間程で解凍完了です。

甲羅の方は少し時間がかかりますが、身や味噌のある方を下にして、1分ほど加熱させれば下準備は完了です。

脚同様に冷蔵庫に入れ、1~2時間置くと食べられるようになります。

なお、冷蔵庫で寝かせる時間を省くために全て電子レンジで解凍しようとすると旨味が抜けまくるので、絶対にやめましょう。

どれだけ急いで解凍したい場合でも、冷凍タラバガニを美味しくたべるためには、最低1時間程度は見ておくようにしましょう。

タラバガニ 解凍 /やってはいけない注意点

電子レンジのみで急速解凍

電子レンジだけで解凍すれば、あっという間に解凍可能ですが、決しておすすめ出来ません。

室温ですら温かすぎるとされるタラバガニの解凍を電子レンジで全て高温解凍するリスクは甚大です。

タラバガニが溶ける際、凍った旨味のエキスが汁と共に流れ出しますが、低温でじっくり解凍すれば、エキスは再びゆっくりと実の中にしみ込んでいって、茹でたてに近いおいしさが維持されます。

しかし、電子レンジの解凍では、エキスが失われ、身はパサパサで風味も失われてしまいます。

加熱ムラも起きやすく、デメリットだらけです。

電子レンジで解凍する際は、数十秒程度の短時間程度にして、残りは冷凍庫で寝かせて自然解凍するのがギリギリのラインと言えるでしょう。

一度解凍したタラバガニを再冷凍する

冷凍タラバガニは専用の機械で急速に冷凍されることで、細胞が破壊されずおいしい状態を保っていますが、家庭用の冷蔵庫では急速冷凍が出来ないので、再冷凍すると確実に品質が落ちてしまいます。

また、一度解凍してしまうと、多少の品質劣化は避けられません。

解凍は一度きりにして、余ってしまった場合は日持ちのする方法で調理して、保存しましょう。

凍ったままのタラバガニを料理に使う

冷凍のまま「ゆでる」「蒸す」「レンジで加熱する」ことは絶対にやめましょう。

冷凍のタラバガニを急いで溶かすと、タラバガニの身の中で凍っているドリップ(旨味エキス)が表面に浮かび流れ出てしまいます。

エキスが逃げるだけでなく、グレース処理の氷が溶けだし、臭いの原因にもなります。

身の中にドリップを染み渡らせるためにも、解凍にはじっくりと時間をかけましょう。

旨味を逃がさないためには半解凍くらいまでは、冷蔵庫の中に入れて待った方が、おいしい料理が出来上がります。

なお、焼きタラバガニにする場合は完全に解凍してください。

解凍してから4日以上経過してから食べる

解凍して調理したタラバガニの保存期間もタラバガニの味と品質に大きく影響します。

通常冷凍された状態なら1か月は保存が効きますが、解凍した後となると2~3日を目安に食べきるようにしましょう。

生のタラバガニを解凍して保存する時はもっと日持ちしませんので、必ず調理をしてから保存するようにしましょう。

よくあるのが次の日に食べようとして冷蔵庫に入れていたけど、忘れていて2~3日経ってしまったという場合です。

ボイルしてある物ならギリギリ大丈夫ですが、それを過ぎてしまうと危ないですし、生の物なら確実に危ないですので廃棄するようにしましょう。

甲殻類は食中毒になってしまうことも多いので、いつも以上に管理には気をつけましょう。

タラバガニ 解凍 /まとめ

冷凍タラバガニは、生の場合とボイル済みの場合で解凍方法が大きく異なります。

生の場合は氷水で流水解凍、ボイル済みの場合は自然解凍が基本です。

時間がない場合は、ボイル済みのタラバガニの場合でも流水解凍してもいいですが、旨味が抜ける可能性があるので、細心の注意を払う必要があります。

急いで解凍する場合でも、最低限美味しさを保って解凍するには1時間程度はかかります。

なお、通販サイトで購入できる冷凍タラバガニには、おいしい解凍方法の資料が同梱されている場合がほとんどです。

プロの業者がおすすめする、その商品に合った方法なので、ぜひ参考にしてください。

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