カニ 黒い /生のカニ、生冷凍カニを解凍したら時間経過で変色!腐ってる?食べられる?
カニ 黒い /黒変とは?
せっかく解凍した冷凍カニをしばらく置いておいたら黒くなっていた経験はありませんか?
生冷凍のかには解凍後に時間が経つと身が黒く変色します。
このように生のカニが黒くなる現象を「黒変」と言います。
黒変とは生のカニのカニ汁が酵素の働きで黒く変色する酸化現象です。
黒変は完全な冷凍状態では抑えられていますが、解凍されて時間が経過すると進行します。
生のカニは解凍すると黒変する
黒変の原因はたんぱく質が酸化してしまうことで起こります。
カニの身の中にあるたんぱく質が酵素によってどんどん分解されていき、アミノ酸へと変化していくのですが、その中にメラニンの元にもなる「チロシン」というアミノ酸が黒変の原因です。
気温が高い時期ほど早く黒変する
気温が高い時期になればなるほど、酵素の働きが活発で酸化のスピードは早くなり、あっという間に黒くなります。
カニの種類によって黒変するまでの時間は変わる
黒変の発生と進行スピードは、鮮度が良い悪いといったことには左右されません。
個体がもつ酵素の強弱によって進行スピードは変わります。
例えば、生の松葉ガニよりも生の紅ズワイガニ(香住ガニ)の方が黒変スピードが速いです。
紅ズワイガニは、寒い冬よりも春と秋によく食べられるからというのも理由ですが、松葉ガニに比べて紅ズワイガニの方が水分量が多いので黒変しやすい事が考えられます。
松葉ガニは大きいので3時間以上かけて食べる人もいますが、紅ズワイガニはそもそも小さいので最大でも2時間くらいで食べた方がいいでしょう。
特に生ガニを鍋で食べる場合、火をかけないまま放置するのは極力避けた方がいいです。
生のヒラツメガニだと酸化防止剤がほどこされていないと、たった10時間ほどで真っ黒になります。
一番黒変しやすいのは生ズワイガニで、すぐに黒変が出るのを抑えるためには酸化防止剤が使われています。
ボイルしたカニは黒変が起こらない
一度火を通したカニは黒変はしません。
焼きガニや茹でガニ、鍋に入れたカニは時間経過しても黒くはなりません。
生のカニが黒変し、ボイルしたカニが黒変しないのにもきちんと理由が存在します。
その理由は、チロシンをメラニンへと変える酵素にあります。
チロシンをメラニンへと変えてしまう「チロシナーゼ」という酵素は、加熱することで働かなくなります。
つまり、チロシンは多くてもメラニンへと変化させるチロシナーゼがないため、ボイルしたカニは黒変しないのです。
カニ 黒い /黒変したカニは食べられる
黒変したカニを初めてみた人は、
- カビが生えた?
- 腐った?
とビックリするかもしれませんが、これはアクが黒くなっただけの自然現象なので、食べても大丈夫です。
黒変する原因のメラニンは、カニを腐敗させているのではなく、ただカニの色を変えているだけです。
酸化して黒くなったりんごと同じように、生がにの黒変も食べて害があるということはありません。
そのため黒変してしまっても味や品質に違いはなく、美味しく食べられますし、健康上の問題もありません。
カニ 黒い /黒変を防止するには
黒変したカニを食べても味や身体への悪影響はないといっても、やはり見た目がまずそうですし、食卓に並べるのは躊躇してしまう人も多いと思います。
そんな人のために、黒変を予防する為の方法をご紹介します。
流水で急速解凍すれば黒変を予防できる
生の冷凍ガニは、食べる直前に流水で急速解凍すれば黒変を防ぐ事ができます。
黒変は解凍されたのち、進行しますので、冷凍状態の生がにを出来るだけ早く回答する事が大切です。
黒変させないようにするためには、生のカニは解凍する時に半日から1日かけて冷蔵庫の中で自然解凍するのではなく、流水を使って1時間以内に解凍させた方が黒変せずに済みます。
自然解凍すると黒変しやすい
冷凍された生のかにを冷蔵庫・常温問わず自然解凍してはいけません。
ゆっくり時間をかけて解凍すると、解凍中に黒変が進行します。
解凍後にすぐに食べれば黒変しない
解凍後はそのまま放置するのではなく、すぐに食べるようにしましょう。
いくら流水を使って素早く解凍させたとしても、黒変させる酵素は残っているので、時間が経つとどんどんカニの身が黒くなっていきます。
黒変させないようにするには、解凍後はなるべく早く食べることが大切です。
火を入れれば黒変を止める事ができる
完全にカニを加熱すると黒変の進行は止まります。
これは生のカニでも解凍した生冷凍カニでも、どちらも同じです。
とにかく熱を入れておけば黒変しないので、生の冷凍ガニを解凍後にすぐに食べれない時は、なんでもいいので火を入れておきましょう。
カニ 黒い /カニについている黒いつぶつぶは?
カニの身が時間経過と共に黒くなるのは黒変ですが、カニの甲羅や脚に初めから黒いつぶつぶが付いているのをみたことはありませんか?
いくら大きくて立派なカニでも、黒いつぶつぶが付いていると購入を躊躇ってしまいますよね。。
実は、カニの甲羅に付いているつぶつぶはカニビルという寄生虫の卵です。
黒いつぶつぶの正体はカニビルの卵
カニビルとは、名前の通りヒルの一種で、魚に付着して体液を吸って生きる生き物です。
カニについているのは、カニの体液を吸うためではなく、岩場の代わりに甲羅を卵の産卵場所として選んでいるだけなので、付着したカニに悪影響はありませんし、誤って人が食べたとしても人体に寄生することはありません。
ちょっと気持ちが悪いですが、害はないということでホッとします。
黒いつぶつぶがついているカニの方がより身が詰まっている
カニビルの卵は、「付着している数が多いと、身入りが良く美味しい」と言われることもあります。
その理由は、卵の付着数が多いということは、脱皮してから時間が経っていると推測されるからだそうです。
カニは脱皮をすることで、一回り以上も大きく成長しますが、脱皮してから半年以上経ったカニは餌もよく食べて身がしまり、重さもある美味しいカニです。
つまり、カニビルの卵が多いというのは、脱皮してからの時間が長いため、美味しいと言われる理由になっており、実際に市場でも高く取引されています。
逆に、脱皮前の体に入っている分しか身が入っていないため、この時点ではスカスカの状態です。
実際に脱皮してすぐの若カニは美味しくないとのことで市場では安く売られていますので、大きいのに安いカニは若カニの可能性を疑った方がいいです。
ただし、この「カニビルの卵が気持ち悪い!」と思われる方のために、「カニビルの卵」をとってから販売してくれているお店もあるので、黒いつぶつぶだけを基準にカニを選ばないようにご注意ください。
食べる前に黒いつぶつぶは処理した方がいい?
カニビルは人間には寄生しないので、うっかり食べてしまっても害はありません。
また、カニビル自体は茹でたり冷凍したりすれば死んでしまいます。
卵も、そのまま甲羅についたまま茹でてしまっても影響はないのですが、見た目が苦手な方は、甲羅をたわしなどでゴシゴシ洗ってしまえば取れますので、それから鍋に入れて調理すれば見た目も綺麗になります。
カニ 黒い /まとめ
生のカニや生冷凍ガニの身が時間が経つと黒くなるのは、酵素の働きによる黒変という現象で、黒変後も味や香りには変化はなく、食べても身体に害はありません。
また、カニの甲羅に最初から黒いつぶつぶが付いている事がありますが、これはカニビルの卵で、茹でたり冷凍すれば死んでしまいますし、人が食べても害はありません。
どちらも見た目がグロテスクですが、腐っているわけでもカビが生えているわけでもありませんので安心してください。
黒変は、解凍後にすぐに食べる事や火を通す事で防ぐ事ができますし、黒いつぶつぶつは、甲羅を洗えば簡単に落ちますので、カニが黒くなっていても、落ち着いて処理してから食べるようにしましょう。